長野県駒ヶ根市にある『駒ヶ根シルクミュージアム』。ここでは、養蚕業の歴史やカイコの生態を学ぶことができる博物館だ。
駒ヶ根シルクミュージアムでは、昔の養蚕業で使われた道具や機械が展示されている。個人的には、自動繰糸機や生糸検査機器は見どころの一つだ。しかし人によっては、カイコの大きな模型やたくさんの種類の繭が目当てだろう。このほかにも、年間を通じてカイコが飼育されているので、実際にカイコを観察することもできる。

入り口では、日本のいろいろな織物が展示されている。
信州紬や小千谷縮など、日本の有名な織物を見ることができる。証紙付きで展示されているので、それぞれの織物の特徴や歴史を知ることができる。

養蚕・シルクの歴史コーナーでは、明治から昭和初期にかけての伊那谷の養蚕農家の様子が展示されている。このころ、カイコは「お蚕様」と呼ばれ、大切に育てられていた。畳をあげて棚を作り、蚕箔にのせて立体的に飼育されていたようすがわかる。夜になると、カイコが桑の葉を食べる音を聞きながら寝たと説明されていて、実際にその音の様子も聞くことができる。

展示コーナーの前では、たくさんのカイコが桑の葉を食べる様子を間近で観察できる。パキパキムシャムシャと音を立てて桑の葉を食べるカイコちゃんたちを見るのは、ずっと見ていられるくらい楽しい。子どもたちにも大人気だ。

明治時代から蚕種を専門に扱っていた組合が企業化された歴史も学ぶことができる。繭から生糸を取り出す繰糸工程の機械も展示されていて、その当時の技術や努力が感じる。よく見ても、よくわからん。とにかくすごい。

カイコの糸を紡いで、長い一本の糸になる理屈がよくわからなかった。あの繭は長い一本の糸でできているのかな。

シルクを生み出すカイコの説明コーナーでは、生きたカイコや5倍大の模型を使って、カイコの一生や生活環を学べぶことができる。


さらに、カイコの巨大模型や回転式模型を使って、内部構造を観察することもできる。繭から絹糸が作られる様子や、いろいろな種類の繭も見られる。ぐるぐる回してカイコがどんどん成長していくのは面白い。


シルクミュージアムの人気スポット、3メートルくらいあるカイコの5齢幼虫と1メートルくらいあるサナギの模型。大きくてリアルな模型が迫力があって、虫好きにはたまらない。訪問客はみんなここで写真を撮る。

駒ヶ根シルクミュージアムは、養蚕業の歴史やカイコの生態を学ぶだけでなく、日本の織物文化にも触れることができる場所だ。家族や友達と訪れて、日本の伝統産業や自然に親しむ良い機会になる。バイキングが名物のレストランも併設されているので、子どもたちはテンション上がるだろう。

2021年7月訪問
「駒ヶ根シルクミュージアム」について
アクセス :中央自動車道 駒ヶ根ICから車で20分
住所 :長野県駒ヶ根市東伊那482
営業時間 : 9:00~17:00(12〜3月は16:30まで)水曜休
公式HP :https://komagane-silk.com