ウミネコの繁殖地、蕪島
青森県八戸市にある蕪嶋神社は、約750年前に創建された歴史ある神社で、ウミネコの繁殖地として天然記念物に指定されている。名前のとおりもともとは島だったが、昭和初期に埋め立てられて本土と陸続きになった。ちなみに神社は〝蕪嶋神社〟、島の名前は〝蕪島〟だ。
この小さな島に建つ神社へ参拝に向かう人々の中に、雨が降っていなくても傘を差している人もいる。実は、これは上空を飛び回るウミネコたちが落とすフンを避けるためのアトラクション的な工夫だ。(傘は参道の下に用意されている)
上空のウミネコから降り注ぐ強烈な〝ウン〟にヒットした場合は、社務所に申告すると名前とその年の〝幸運者〟であること記載した「会運証明書」をもらうことができる。(傘に当たっているのは無効)
蕪島には、繁殖期になると約3万羽のウミネコが生息しており、2月から7月の間に産卵・子育てを行う。そのため、この期間だけに見られる貴重な光景となっている。
頻繁に清掃をしているだろうが、それでも路面はウミネコの糞だらけだ。
パワースポットとしての蕪島神社
蕪嶋神社は、パワースポットとしても人気がある。前述の開運証明書があり、「島を3周まわり参拝すると運が開ける」という『運開きめぐり』も行われており、参拝者は周囲の絶景を眺めながら島を巡る。
私が珍スポットツアーで訪問した日は、ちょうど天気が芳しくなかった。
みんなで同じ方向を向いているウミネコかわいい。
石碑も糞まみれだ。
ゴツゴツした岩と八戸の海の景色を眺めることができる。
ウミネコたちは繁殖期なので、めちゃめちゃ鳴いている。
全焼から復活した蕪島神社
2015年11月5日に発生した火災により、蕪嶋神社の社殿が全焼したが、全国各地からの寄付金も集まり、約5年の歳月を経て再建された。私が訪れたのは2016年だったので、社殿があった場所はちょうど更地になっていた。2020年3月26日の例大祭に合わせて一般参拝が再び可能となり、新しい社殿に参拝できるようになっている。
商売繁盛と漁業安全の神、弁財天を祀る蕪嶋神社
弁財天を祀る蕪嶋神社は、商売繁盛や漁業安全の守り神として古くから地元の人々に親しまれている。蕪島の「蕪(かぶ)」と「株」が同じ読みであることから、株価と人望の「かぶ」が上がるご利益があるとも言われている。そのいわれにこじつけたお守りの「かぶあがりひょうたん御守」が人気だ。
八戸のシンボル蕪島神社
2020年に新たな社殿となり、地元の人々や観光客に愛されるパワースポットとして、その歴史と文化を次の世代へと継承していく蕪嶋神社は、今後も八戸のシンボルの一つとして、港町八戸を見守り続けるだろう。
2016年7月訪問
「蕪嶋(かぶしま)神社」について
アクセス :JR八戸線 鮫駅から徒歩15分、八戸駅から車で30分
住所 :青森県八戸市鮫町鮫56−2
公式HP :http://kabushima.com/jinjya/