一年間待って、超レアラーメンのために早朝から山の中へ『ラーメン倉庫』【かつらぎ町】

ラーメン倉庫 グルメ

 ラーメン店というのは、珍スポット飲食店の中でも居酒屋に次ぐ多さを誇る業態だと思う。基本のレシピが確立されているうえにアレンジが効く、メニュー数が少なくていい、高回転率、店が大きくなくてもいい、一国一城の主になれる等……。そういうわけで私もこれまでに多く珍スポット的なラーメン店に出会ってきたが、その中でも一番、美味しく、かつ自慢ができるレアリティがある店が「ラーメン倉庫」だ。それは果物の生産が盛んな和歌山県かつらぎ町にある、1年に13~15日だけしか営業しない店だ。


 和歌山県かつらぎ町のとある山には、冬の日曜日になると朝からバイクや車が集結する。一年に数日間しか営業しない『ラーメン倉庫』のラーメンを食べるためだ。店主の平山忠央さんは本職で梅やスモモの農業をしているので、農閑期の1月下旬~4月の土曜日・日曜日のみ営業するスタイル。この僅かな期間のために、全国からラーメン好きが集結する。

ラーメン倉庫

 倉庫の中で食べているという雰囲気がより一層楽しませる。平山さんは大学時代を過ごした京都でラーメンに魅せられ、卒業後は実家の農家を手伝っていたが、2011 年に念願の店をオープンした。

 メニューは15年かけ完成した醤油豚骨の「ラーメン」のみ。味に拘りすぎるあまり一日130杯限定。年間で15営業するとしても、この味を堪能できるのは一年に2,000人もいない、超レアラーメンだ。訪問時(2017年以前)は一年間に8日しか営業していなかったので、さらに貴重だった。

 ラーメン倉庫は関西を中心に各種メディアで紹介され、毎年営業が始まると開店前から行列ができる。朝11時の開店だが、開店の4時間以上前から行列ができていて整理券の争奪戦だ。私も前日は近くのホテル(独りでホテルアイネ)に宿泊し、早朝から向かい7時に到着して何とか整理券をゲット。9時には整理券はなくなっていて、せっかく来たのに引き返すことになるラーメンファンがたくさんいた。

 コロナ禍があってからは、箱入りのお土産タイプやチルドタイプのラーメン倉庫のラーメンが近隣のスーパー等で売られているそうなので、争奪戦に敗れた人はせめてもの記念に買っていくといいかもしれない。

ラーメン倉庫

 整理券に記載された時間から入店できるが、その中でも到着順に入ることができるので、客はこのカゴに座って待つ。昼前とは言えど、和歌山でも1月~2月は寒い。しっかり防寒着を着用して行こう。

ラーメン倉庫


 果物の貯蔵用倉庫をそのまま店舗として使用しており、テーブルと椅子は出荷物用の果物のカゴを流用している。農家の倉庫という雰囲気が出て良いものだ。

ラーメン倉庫

 ラーメンを注文するのは倉庫の中にある屋台。粋だね。ここで注文をする。前述のとおりメニューは「ラーメン(600円)」のみ。たった一つだけの料理で勝負をしている。相当の自信だ。丼の絵に店主の名前からとった「忠」の字や、あやしいプ○さんみたいなキャラが書かれているのも味がある。

ラーメン倉庫

 寒い外から倉庫の中に入って席に座るとホッとする。ラーメンを注文し、席に座って待つ。

ラーメン倉庫

 ラーメンの見た目は普通だが、味は濃厚。臭みを消した濃厚なトンコツ鶏ガラの醤油スープ。確実に他の和歌山ラーメンとは、スープのステージが違うことに誰でも気が付くくらい味に深みがあった。

ラーメン倉庫

 あまりにビックリしたので、スープに何か工夫しているのか平山さんに直接聞いた。でもストレートに聞くのは野暮だしマナー違反だと思うので、それとなく聞くために常套手段の褒めちぎり作戦を使った。すると、あるものをスープに加えることでコクをプラスしているという。結局詳細はわからなかったが、いろいろな目に見えない工夫があって確実に他のラーメンとは一線を画している味になっていることは確かだ。

 訪問当時は小さなお孫さんたちも元気な案内役として店内を手伝っていた。平山さんと少しお話をすると、何年か先にはラーメン屋1 本でやりたいと話していたが、農家も続けていきたい気持ちももちろんあるともおっしゃられていた。娘さん方も大賛成だという。

ラーメン倉庫

 営業日の予定は、毎年冬ごろに公式HP 上で発表されているので要チェックだ。

2017年2月訪問

「ラーメン倉庫」について

アクセス :かつらぎ西ICから自動車で5分くらい
      (笠田駅からバスも出ているけど恐らく整理券は取れない)
住所   :和歌山県伊都郡かつらぎ町笠田中735
公式HP  :https://raamensoko.jimdofree.com/


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