髪を切る占い師のラーメンは食べるほど痩せる?!『さくらラーメン・理容ササキ』【府中町】

さくらラーメン 珍スポット

 髪を切りに外出した時には、せっかくだから外食して帰ろうという気持ちになるものだ。その気持ちを(たぶん)一瞬で満たしくれる店がある。

さくらラーメン・理容ササキ

 広島県府中町にある、「さくらラーメン」は、店主の佐々木さんが隣の理髪店「理容ササキ」と同時に営業をしている。ラーメン屋のほうに店主がいないときには、まず理髪店に入店して、「ラーメンを食べに来ましたあ!」と申告してから、店主と同時にラーメン屋に入店するシステムだ。

 理容ササキ側に入店すると、当然、完全に床屋さん。

さくらラーメン・理容ササキ

 店は奥でつながっていて、店主がそこを移動してやってくる。

さくらラーメン・理容ササキ

 佐々木さんはラーメン好きが高じてラーメン店を巡り歩いていたが、自身が100% 納得するラーメンには出会えなかった。それなら「俺が究極のラーメンを作ろう」と2000 年に開店したのがキッカケとのこと。理髪店とラーメン屋へ同時に客が来た場合には、奥さんがラーメン店のほうを切り盛りする。

 私は、この店のイチオシだという牛骨ラーメンを注文した。ラーメンはよく見ると、スープの表面に油が浮いていない。これはノンオイルのスープにするために、牛骨スープ一度冷凍し、分離した油分をすべて捨て、出汁の部分だけ取っているから。すごい手間だ。そのために味に深みとコクがあるにもかかわらず油脂分がほとんどないという、ヘルシーなラーメンとなっていた。佐々木さんが言うには、「ヘルシーで健康的なラーメンだから、食べるほど痩せる」とのこと。あれ?このセリフ、どこかで聞いたことあるぞ。ヘルシーなラーメンは痩せる。やはり真実だったのか。

 スープの表面に油膜が無いから、スープが冷めるのが早い。熱くて美味しいうちに急いで食べる必要がある。
 スープは醤油、味噌、塩、白から選ぶことが出来る。その他にもつけ麺や一品料理のおつまみなどメニューは豊富。牛骨ラーメンはあっさりしているので、食の細い子供やおばあちゃんでもスープまで完飲してしまうそう。

さくらラーメン・理容ササキ

 ラーメンを注文すると、一から作り始めるので、完成まで20分以上待つことがあるため注意が必要。待っている間は佐々木さんが如何にこのラーメンにこだわっているかという話や、テレビに出演したときの自慢を話してくれる。このお話も含めての待ち時間だったので、人によってはすぐだと感じるし、非常に長い時間待たされたと思う人もいるだろう。

 ラーメン屋の店内はカウンター席のみ。お冷は大ジョッキになみなみ注がれて持ってくる。キンキンに冷えたたくさんのお水。うれしい。

ラーメン屋の店内はカウンター席のみ。お冷は大ジョッキになみなみ注がれて持ってくる。

 タイミングよく他のお客さんもいなかったからか、食後も佐々木さんはなかなか私を帰してはくれない。私を理髪店のほうへ呼び出し、いきなり占いを始めてくれた。占いは名前の画数と使われている漢字、生年月日を用いて行われる。佐々木さんの占いはとても当たるらしく、私はこの12年間で、2017 年が最高に運気の良い年になると言われた。(今振り返ってみて本当にいい年だったかどうかは???だが)

 真剣に占いをしている佐々木さん。その間、奥さんは店の奥からじっと見守っていた。

さくらラーメン・理容ササキ

 佐々木さんは理容師よりもラーメンよりも占いが一番得意で、占い業界のドンと言われる人間からウン十億円での引き抜きの話があったと言っていた。そんないい話も、自分の生きがいのラーメンのために断る。信念をもった方だった。

 もちろん髪のカットにも興味があったが、この後に美容室マサキチでダンシングカットの予約をしていたので、カットをお願いすることはできなかった。

 佐々木さんとお話がハマると、お話が長く続くこともあるので、お話をじっくり聞きたい人は、1時間は余裕を見ておいた方が良いだろう。佐々木さんの人懐っこく朴訥な人柄と、佐々木さんの奥さんの店内を包み込む優しさを感じる雰囲気の良いお店だった。

ラーメン屋の店内はカウンター席のみ。お冷は大ジョッキになみなみ注がれて持ってくる。

2017年7月訪問

「さくらラーメン・理容ササキ」について

アクセス :JR芸備線 矢賀駅から徒歩で20分くらい
住所   :広島県安芸郡府中町城ヶ丘17−16


人生は髪でズバッと変わる なんとなく髪を切って損をしないためのすごいコツ