珍スポット好きなら一度は見たことあるであろうインパクト満点の道路標識。
青森県新郷村（しんごうむら）にあるキリストの墓へ案内している道路標識だ。日本にイエス・キリストの墓があるわけないだろ！というのが自然な感想だが、実際にこの標識がある場所の数十メートル先にキリストの墓がある。実際に行ったことがあるので、簡単にキリストの墓の紹介と、その背後にある伝説や歴史、そして周辺情報などを書いていく。
キリストの墓とその伝説
新郷村は、青森県の南、八戸市から十和田市へ向かう中間地点あたりにある青森県旅行の途中で訪問するにはもってこいの位置だ。Googleマップにも『新郷村 キリストの墓』で登録されているので、見つけやすいだろう。
一日数本程度のバス本数だが、「キリスト公園前」という徒歩圏内で降りられるバス停もある。
そしてこれがイエス・キリスト本人を葬ったとされる墓「十来塚」だ。木で作られた十字架に、丸い小さな墓石。とてもシンプルだ。
墓は「ありがとうございます」と感謝していた。
キリストの墓の向きに建つのが、その弟といわれている、イスキリの墓「十代墓」だ。
新郷村のキリストの墓は、一般的なキリスト教の教義とは異なる説を元にしている。この説によると、十字架にはりつけられたのは弟イスキリで、本物のキリストは難を逃れ、青森で天寿を全うしたとされている。古文書にはキリストの墓らしき文字も記されていたと言われている。
キリストはかつて日本に上陸し、ユダヤの地で神国日本の良さを語ったものの受け入れられず、迫害された。らしい。磔刑には弟のイスキリが身代わりとなり、キリストは新郷村で日本人女性と結婚し、3人の娘をもうけた。らしい。
この説を唱えたのは、昭和初期に勃興した新興宗教「天津教」の創設者、竹内巨麿。彼は古代から伝わる歴史書『竹内文書』にこの話が書かれていると主張した。そう竹内文書。あの石川県のモーゼの墓と根拠が同じものなのだ。ため息が出る。「天津教」は昭和初期の新興宗教への弾圧に遭い、竹内文書も偽書とされたが、その後もこのキリスト伝説は地域に根付いている。
新郷村がある地区は、戸来（へらい）といい、昔のイスラエル人の呼び方であるヘブライに由来しているのではないかといわれている。そして、子どもを初めて野外に出す時に、おでこに墨で十字を描く風習もあるという。このことも、新郷村にキリストが渡ってきたのではないかという説の信ぴょう性を強くしている。
新郷村にはキリストの霊を慰めるため、毎年６月に「キリスト祭」が行われる。祭では古くから伝わる盆踊り「ナニャドヤラ」を地元の人々が踊る。
キリストの墓周辺のスポット
キリストの墓を見学した後は、キリストの里伝承館という資料館に寄ろう。ここでは、単に伝承を集めるだけでなく、当時の原著や報道も展示されている。展示物を通して、地域の歴史やキリスト伝説についてより深く理解することができる。結構面白かった。一見の価値ありだ。
伝承館の前には、謎にピラミッドがあった。
催淫作用があるらしい聖なるハーブ。こんなん性なるハーブだろ。
キリストの墓のそばには、ミニストップ風の売店「キリストっぷ（日曜のみ営業）」があった。かなり攻めたデザインだ。
そして、キリストの墓から車で20分ほどのところには、竹内古文書により、エジプトのピラミッドよりも古い数万年前のピラミッドとされている「大石神ピラミッド」もある。４つのデカい岩があった。
キリストの墓から車で５分程度の場所にあるラーメン亭えびす屋では『キリストラーメン』を食べることができるらしい。とても気になる。
言い伝えの真偽はともかく、新郷村のキリストの墓はかなりユニークな珍スポットだ。この地域に残るキリスト伝説を知り、地域の歴史や文化に触れることができるこの場所は、新郷村にとっては重要な観光資源になっているし、珍スポット好きにとって魅力的な場所だ。ぜひ青森の南部を旅行のする際には、キリストの墓を訪れてみよう。必ず土産話にはなる。
2016年７月訪問
「キリストの墓」について
アクセス ：JR東北新幹線 八戸駅から車で35分
住所 ：青森県三戸郡新郷村戸来野月３３−１
営業時間 ： ９:00～17:00（キリストの里伝承館、水曜休）
公式HP ：http://www.vill.shingo.aomori.jp/sight/sight_main/kankou/sight-christ/（新郷村）
