高知県土佐清水市の名物料理「ペラ焼き」を知っているだろうか。この地元愛に溢れる一品は、その美味しさで多くの人々を魅了している。今回は、このペラ焼きの発祥とされるお店「元祖ペラ焼き にしむら」について書く。
「ペラ焼き」とは、小麦粉と卵を水で溶いて薄くのばした生地にネギ、じゃこ天、そして卵を乗せて焼き、ソースを塗ったもの。旨味がギュッと詰まったプリプリじゃこ天がアクセントになっている。
にしむらでは、開業以来、大きな鉄板の下に練炭火鉢を置いて「ペラ焼き」を焼いている。これが普通に焼いた粉もん料理とは一線を画す美味しさの秘密になっているようだ。
目の前でペラ焼きが作り上げられていく光景を見るのはテンションが上がる。香ばしいソースの香りが、私たちの顔面めがけて立ち上ってくる。たまらない。
また、ソースはウスターソース2種(普通と辛口)・甘口のとんかつソース・しょうゆの4種類から選ぶことができる。一番人気の辛口のウスターソースだ。
にしむらのメニューはシンプルで、「ペラ焼き」と「焼きそば」(400円~)のみ。ペラ焼きは100円刻みで大きさが変わり、400円~800円でサイズとソースの辛さが選べるので、自分好みのペラ焼きを作ってもらおう。。
『元祖ペラ焼き にしむら』。店は、現在三代目となる店主の祖母が、大阪から高知へ帰郷した後に開業したそう。ペラ焼きは一見お好み焼きや一銭洋食のような雰囲気だが、お肉の代わりに地元土佐で獲れた魚のすり身天ぷらを使ったことから、大阪のお好み焼きとは少し様子の違う「ペラ焼き」が誕生したとのこと。その名前のとおり、生地が「薄っぺらい」から、ペラ焼きと呼ばれ始めたのだそう。
手頃な値段で味わえるペラ焼きは、学生たちや地元の集まりの差し入れとしても人気。私が滞在している間にも、テイクアウト注文のための電話がバンバンかかってきていた。その美味しさは徐々に土佐清水市内に広がり、他のお店でも提供されるようになってきている。
こうしてペラ焼きは土佐清水市のソウルフードとして定着しつつあり、令和3年に開催された「土佐清水市民が愛する物グランプリ(S-1グランプリ)」でもにしむらを初代チャンピオンに輝かせた名物料理になっている。
土佐清水市へ観光に来た際には、清水さばの刺身やカツオもいいが、現地でしか食べられない名物料理として、にしむらのペラ焼きもぜひ食べてみてほしい。
2020年8月訪問
「元祖ペラ焼き にしむら」について
アクセス :土佐くろしお鉄道 中村駅から車で40分
住所 :高知県土佐清水市中央町6−1−1
営業時間 :10:30~9時ごろまで(水曜休)