秋田県にかほ市の象潟(きさかた)といえば、松尾芭蕉の「奥の細道」で最北端の訪問地として有名だ。
JR象潟駅前で、開けた駅前に建つ存在感のある立派な建物がある。香り立つ美味いコーヒーが飲める喫茶店『茶房 くにまつ』だ。
1階「民芸くにまつ」では、地元の民芸品や特産品が売られており、2階の喫茶には、にかほ市出身の木版画家、池田修三氏の作品が多く飾られていた。店内はゆっくりとした時間が流れていた。
この落ち着いた空間で飲むコーヒーが地元の方の癒しになっている。
コーヒーもいいのだが、私が訪問した目的は別にあった。
茶房くにまつでは、ランチにオリジナルうどんの姜葱撈麵(きょんちょんろーみん)が食べられる。レトロな雰囲気の喫茶店でなぜ広東料理が……? マスターがもともと中華料理店出身とかなのだろうか。
「姜葱撈麺」は、秋田名物の稲庭うどんを、にかほ市特産の鱈しょっつるベースの特性ダレで和えられた麺だ。まず香りが良い。熟成された生姜とネギが旨味の柱になって、稲庭うどんがツーランクくらい上の料理になっていた。とても美味しい!
広東焼きそばは、酢をかけながら食べる。かた焼きそばに旨味が凝縮されたあんがよく絡む。食べていて楽しい、食べるほどに食欲が増す麺料理だった。
店の窓がでかいので景色がいい。店のマスターも良い方だった。長距離移動ばかりしていた東北旅行の中で、体も心も癒すことができた。
2021年2月訪問
「茶房 くにまつ」について
アクセス :JR象潟駅から徒歩1分
住所 :秋田県にかほ市象潟町家の後64
営業時間 :10:00~18:00(無休)
公式HP :https://r.goope.jp/cafe-kunimatu/