東京駅の東側、様々な会社のバスが入り乱れている八重洲口。八重洲のあたりは良い店がありすぎてランチにどこ行こうか迷っちゃう。そして、美味しい肉を食べようと思うと、お腹いっぱい食べようと思うと、結構お高いお店も選択肢に入れないといけなくて困っちゃう。そんなお悩みを解決してくれるのが、八重洲地下街から地上に出てすぐの場所にある『炭火職人』だ。
雑居ビルの地下。事前にこの店のことを知らないと、素通りしていまいそうな佇まいだが、お昼時になると階段からあふれるほどのサラリーマンの行列ができる。
この焼肉店『炭火職人』はただでさえお得なセットが、火曜〜金曜の12時までと月曜日がランチタイムの間ずっと100円引き。つまりハラミがたくさん乗ったAセット大盛りも1,000円で、通常のAセットなら800円で食べられてしまう。ほんまにありがとう。東京駅のド真ん前で焼肉セットがこれだけの値段で食べられるということは、凄いことですよ。市場で肉を仕入れている買参業者の会社が直接経営しているからできる価格だ。
10年くらい前だと、Aセットが800円、大盛りセットが950円とさらに安かった。良い時代だったなあ。今は世界の物価上昇に伴って、輸入牛肉の仕入れ価格もかなり上がっているから仕方ない。数年ごとに、50円ずつのペースでランチメニューも値上がりしてきている。
店に入る前の狭い階段では、メニュー表を見ながら八重洲のサラリーマンたちが打ち合わせをしている。「俺はいつもAセットだから」「あれ、納期大丈夫なの？」「今日はミックスの大盛り、いきますよ」「なんでBセットは無いんだろうな」さすがビジネス街。客はしゃべりまくる人が多いなと思った。
席に着く前に会計を済ませることになる。なので、店の前や階段の途中にあるメニュー表を事前にチェックしておいて、自分が何を注文するのかを決めておかなければならない。みんなその辺は完璧だった。デキるビジネスマンは得てして段取りがいいもの。注文を聞かれるタイミングになって「え～っと……」と周りの人間を待たせるような仕事のできない、決断力に欠ける人間は八重洲には少ないのだろう。
これがハラミのAセット。白米にサラダ、ナムルにお味噌汁まで付いてくる。ハラミは肉厚なのに柔らかい。この値段でこの量。食べ物にこの言葉を使うのは好きじゃないけれど、コスパはかなり良い。
800円でこれだけのお肉を食べさせてくれる。感謝。
下の画像がAセット特盛。大大大満足の量だった。2021年秋の時点の価格はサービスタイムで1300円。少し奮発しちゃった。
大満足すぎて、普段のお昼ご飯として普通に満足をしたいなら、通常のAセットで十分だったなと、食べた後にいつも思う。でも自分の欲望には逆らえないのだ。肉厚のハラミを、心から噛みしめて味わう。
昔は炭火で焼いていたが、最近ガス火で焼くように変わっていた。ガス火で焼くようになっても、私の心は炭火職人だ。よくわからないと思われるが、そういう気持ちで焼いている。
これだけの肉の量があると、白米が足りなくなる懸念は皆が持つものだと思う。しかし心配はいらない。メニュー表に書いてあった通り、ランチタイムはご飯とスープがおかわり無料だ。男女関係なく、ご飯をモリモリおかわりしていた。逆にご飯は抜きにもできる。たまたま後ろに並んでいた、モデルみたいな体型の芸能人くさい女性は「いつもどおりご飯は抜きで」と何セットかも言わずに注文していた。すげえ。
ミックスセットはハラミ、カルビ、ロースが楽しめる。とてもお得感があるセットだ。まずすべての味を楽しみたい人や、Aセットに飽きつつある人はミックスを頼むといいだろう。でも、私のオススメは圧倒的にAセットだ。一番安くて、満足感を得られるから。
「ランチタイムに行ったら仕事着にニオイが付きそう……」と思うかもしれない。しかし煙が出るような肉の焼き方をしている人が少なく、換気がしっかりと行われているせいか、あまり服には匂いがつかない。なぜなんだろう。念のため偉い人に会う前や、客先へ訪問する前に行くのは止めておいたいいね。
炭火職人はランチタイムだけではなく、夜も良い肉を使ったお得な食べ放題、飲み放題コースがあるので、いつも賑わっているそう。私は夜に行ったことが無いのでわからないけれど、いつか夜のコースも体験してみて、この店のいろんな部位の肉を味わってみたいな。
2011年４月初訪問
「炭火職人」について
アクセス ：JR東京駅 八重洲口から徒歩３分くらい
東京メトロ 日本橋駅から徒歩４分くらい
住所 ：東京都中央区日本橋3-3-17 中井ビルB1
営業時間 ：（月～金）11：00 ～ 14：00／16：30～23：30
（金土日祝）16：30～23：30（無休）
公式HP ：https://g295602.gorp.jp/
おいしい肉の店 2022 首都圏版 (ぴあMOOK)
