強首温泉『樅峰苑』は登録有形文化財の庄屋屋敷で郷土料理が楽しめる希少な秘湯宿だ【大仙市】

樅峰苑 宿

 柳葉敏郎の出身地にして居住地秋田県大仙市。ここにある秘湯が、強首温泉 樅峰苑(こわくびおんせん しょうほうえん)だ。とにかく泊まりに行ってよかったと思う温泉宿だった。

樅峰苑

歴史ある庄屋屋敷に宿泊する

 秘湯と呼ばれるだけあって少しばかり不便な場所にあるが、それでも行く価値がある。私は車で訪問をしたが、公共交通機関だと新幹線の大曲駅からローカル線に乗り換えて峰吉川駅で降りる。事前に相談していれば、宿の方が出迎えに来てくれる。
  私が訪問したのは2月だったが、宿の周囲の畑にも、宿の入口にもまだ多くの雪が残っていた。

樅峰苑

 木造二階建ての大きな庄屋屋敷は、大正時代に宮大工が建てたもので、今では登録有形文化財に指定されている。

樅峰苑

 趣きと迫力のある廊下だ。

樅峰苑

 立派なテーブルがある玄関で女将さんが元気よく迎えてくれて、部屋に案内された。

樅峰苑

 私が宿泊した部屋はこんな感じ。落ち着いた雰囲気の部屋だ。ぱっと見は古さを感じるが、掃除や手入れは隅々まで行き届いている。とてもリラックスできる。

樅峰苑

 逆側から見たらこんな感じ。タンスが良い感じだ。

樅峰苑

 アメニティは、とても価値がありそうな年季の入ったタンスの中に入っている。傷づけてしまわないように、そーっと丁寧に開けたり閉めたりした。

樅峰苑

自家源泉かけ流しの希少なヨウ素泉

 部屋でくつろぐこともそこそこに、メインの楽しみの一つである温泉を楽しんだ。樅峰苑には敷地内に男女別の内湯と貸切露天風呂が2つある。どちらも自家源泉だ。

 こちらは内湯。日帰り入浴でも650円で利用できる。全国でも数少ないヨウ素が含まれる温泉。数人一緒に利用できるほどの広さがあるヒノキ風呂の大浴場だ。少し鉄の香りがするしょっぱめで苦い味のする、含有物の濃さを感じた温泉だった。かなり体が温まる。

樅峰苑

 そして宿泊時に時間を指定して利用する、別棟の貸切露天風呂は最高だった。(別棟に行くにあたり、いったん外に出るので、真冬や真夏は気温に注意しよう)

樅峰苑

 そして待ちに待った、宿泊者専用の貸切露天風呂。下の画像の風呂が「大樹の湯」

 希少泉質のヨウ素が含まれる温泉は老廃物が出ると言うより、体に栄養が染み入ってくる感じだった。露天風呂だとさらに効能があるように感じた(気のせい)。

樅峰苑

 この下の画像の風呂が「こもれびの湯」。どちらも湯屋全体が総ヒノキ造りだ。温泉の鉄分とヒノキの香りを感じながら、樹齢380年以上といわれているもみの木を眺める。この5本の巨大なもみの木は、大仙市の天然記念物になっているそ。このもみ(樅)の木を見たときに、樅峰苑ってそういうことなのかと一人で納得した。

樅峰苑

旅情を感じる秋田の名物田舎料理と雄物川の恵み

 樅峰苑のもう一つの魅力が、晩と朝の郷土料理。

樅峰苑

 貝の形の鍋で食べる強首白菜をはじめとした地元野菜を使用したぜんまい貝焼き(かやき)、いぶりがっこ、ハタハタの醤油麴漬け、川カニのモズクガニのコースだ。画像の右下にあるのが、地元の醤油、地酒、ザラメだけで3日煮ただけの鯉の甘露煮。

樅峰苑

 私にとってはコイの甘露煮が料理のメインといってもいいはずなのに、楽しみにしすぎていざ目の前にすると撮影することを忘れてしまった。宿のすぐそばを流れる雄物川で獲れたコイを処理して作る甘露煮は、脂が乗っており濃厚でめちゃウマだった。骨まで食べられる。すごい。コイのエキスが染みた煮汁は白米にとても合う。

 モズクガニも美味しい。あっさりとした味だ。日本酒に合う感じ。ちなみにだがモズクガニはカニの中でも珍しく、海で生まれ川で育つ生活史を持ったカニだ。

樅峰苑

 汁物に入っているのも川カニのつみれだ。

樅峰苑

 朝食も見た目は地味だが、味には大満足だ。朝はこれで十分です。

 強首は県内有数の米の産地で、地名の由来は、ここで栽培されていた稲穂がイモチ病に負けない強いものだったからという説がある。それだけに白米(西仙北産のあきたこまち)がとても美味い。

樅峰苑

 秋田出身のいろんな方から「秋田の内陸部で作る米は最高の味」と聞いていたが、身をもって実感することができた。

文化財の屋敷に宿泊することの醍醐味

 屋敷の様子は、改築した大正時代から変わっておらず、庄屋だった当時の雰囲気を色濃く残している。

樅峰苑

 数々の歴史ある調度品が、屋敷内の随所に飾られていた。

樅峰苑

 とにかく広い、豪華、そして緻密。見ていて楽しいポイントがたくさんありすぎて、飽きることがない。

樅峰苑

 VIPがよくお忍びで来る宿という理由もわかる気がした。

樅峰苑

 樅峰苑を切り盛りするのは、江戸時代の始まりのころから続く由緒正しい小野田家の方々。つまりこの宿は家族経営だ。小野田家、そして樅峰苑の歴史は長く、深いのでこのブログではとても書けない。詳細が書かれている公式HPを見たほうがいい。

樅峰苑

 もう半分小野田家資料館だな。

樅峰苑

 もともと旅館としての建物ではないし、最新の設備があるわけでも、豪華絢爛な雰囲気やサービスがあるわけではない。しかし、樅峰苑は地元素材をふんだんに使った料理と心身ともに温まる希少な温泉、質実剛健で歴史ある庄屋屋敷を楽しめる唯一無二の宿だった。何より宿を切り盛りする小野田家の方々の心温まるおもてなしの思いを感じる宿だった。朝、出発するときには宿の方への感謝の気持ちでいっぱいになった。秋田旅行を考えている人に、まずおすすめしたい宿だ。

樅峰苑

2021年2月訪問

「強首温泉 樅峰苑」について

アクセス :秋田空港から車で15分
      JR秋田新幹線 大曲駅から車で30分
      ※JR奥羽本線 峰吉川との無料送迎、秋田空港には1,000円/人での送迎あり
住所   :秋田県大仙市強首字強首268
公式サイト:https://syohoen.net/
参考予約サイト:強首温泉 樅峰苑<楽天トラベル>
        強首温泉 樅峰苑<じゃらん予約>