西成区の西天下茶屋にある、銀座商店街という東京の銀座とは似ても似つかない場所に、このブログを見に来たみなさんならご存じだろう有名オシャレ純喫茶『喫茶 マル屋』がある。
年季の入った店頭のサンプルと激安がアピールされた看板が店の貫禄を強めている。
マル屋名物、パキパキのメニュー表
この喫茶店を訪れる人で「なんやこのメニュー!破れとるやんけ!新しくしいや!」なんていう人は一人もいない。そんなことを言うと一発でこの店の魅力をわかっていないヨソ者だとバレてしまうぞ。私たちはこの店の歴史を目の当たりにしているのだ。
長年、多くの地元客に店が愛されてきたことが一目でわかる、セロハンテープでパキパキに補強されたメニュー表は、大阪府指定の文化財に登録してもいいくらいだ。これだけ強烈な個性を放っていると、逆にオシャレに感じてくる。時代が流れ、商品価格を改定する場合でも新しくメニュー表は作らない。手書きで追加・修正だ。
メニューだけではなく、商品の価格も破壊されている。コーヒー1杯160円。クリームフルーツジュース140円。ハムトースト120円。ホットケーキは80円?!天下茶屋という立地を考えたとしてもちょっと安すぎないか。味は普通だ。
ネットでの口コミを見ると250円のオムライスやカレー(生卵付き)が人気のようだったが、訪問時、私にはどうしても食べてみたいものがあった。それは「年越しそば」だ。年越しそばのメニュー札が一年中、店の窓にデカデカとアピールされていて、気になって仕方がない。実際に年末に訪れ、年越しそばを食べてみたが当然、可もなく不可もない普通の味だった。しかし私は達成感で満たされていた。
200円という爆安で年越しそばを楽しめるなら何の不満もないよ。
喫茶店の醍醐味を味わえる店
喫茶店の醍醐味とは、料理やドリンクの味だけではなく、店そのものの雰囲気も味わうこと。マル屋では昭和のころから時間が止まってしまったかのような店内で、チョビヒゲのいかにもなマスターが素っ気なく対応してくれた。いろいろ聞いていると、常連さんにはものすごく愛想がいいらしい。それはそうだよね。
2017年12月初訪問
「喫茶 マル屋」について
アクセス :南海・大阪メトロ 天下茶屋駅から徒歩3分
住所 :大阪府大阪市西成区千本北2丁目1−33
営業時間 :7:00〜19:30(無休) ※金曜日は9:00~