『昇龍軒』は油の中に指を入れて直接から揚げを取り出すぞ【八頭町】

昇龍軒 珍スポット

 難読地名が多く、旅行中にカーナビへ目的地を入力するのに苦労する鳥取県八頭町。郡家(こおげ)駅前すぐそばにあるから揚げ専門店『昇龍軒』は、揚げているアツアツの油の中に素手を突っ込んで唐揚げを取り出したり、火を握ったりする。すごい。灼熱昇竜軒だ。

昇龍軒

 今からこの鶏肉を揚げるからね。と見せてくれる店主の岡嶋さん。サービス精神旺盛だ。

昇龍軒

 鶏肉を揚げる直前の岡嶋さん。真剣な表情だ。

昇龍軒

衝撃的映像

 岡嶋さんの許可を得て、手づかみでから揚げを油の中から提供してくれる動画を取ったのだけど、あまりにも衝撃的な光景で、落ち着いて撮影できなかった。KUYA SEA。

 熱せられた油から出ている音からして、油とから揚げがどれほどの高温なのかが想像できるだろう。

 から揚げをどや顔で取り出し、絶対に熱いのにずっとから揚げを持ち、撮影タイムのサービスをしてくださった。本当にお客さん想いだ。

昇龍軒

 唐揚げは一本100円(訪問当時。2021年秋からセット販売のみ)。から揚げの味付けは、塩、こしょう、カレー味の中から選べる。揚げたてほやほやなので、肉に油もたくさん付いている。アツアツだ。テイクアウトで持つ用の耐油の紙で包んで持っても熱かった。

なぜこんな危険な方法を……

 なぜこんな危険な事するのか店主の岡嶋さんに聞くと、から揚げを提供する時間を少しでも、1秒でも短縮したいと考え、このスタイルにたどり着いたのだそう。

 油の中に突っ込んだ指の周りの水分が一瞬で蒸発して、少しの間だけ油の熱から皮膚を守ってくれるという原理は想像がつくけれど、揚げた油の付いたから揚げをずっと握っていられるのは、絶対に熱いのをガマンしているだろう。それと、火を握る意味は分からない。なぜ。

 私もから揚げを持つことを挑戦させてもらったら、熱かったけど出来た。緊張した分、かなり嬉しくなってしまった。コツは、から揚げを掴んでおくのを一瞬だけにすること。岡嶋さんはずいぶんゆっくりしていたが……。

 店に掲げられた〝秋〟が無いので商い中の札。札にはうっすらと「火傷に注意」の文字が書いてある。私はもっと強くアピールしたほうが良いと思う。

昇龍軒

 から揚げは学校帰りの子供たちに大人気だった。 みんなも昇龍軒の店主の超絶技術を見に行こう。

昇龍軒

 別の店の話題になるが、大阪の繁華街、梅田のお初天神通り商店街にある『河童』という焼肉店に、かつていらっしゃった前店主は、焼肉で使用した卓上のロースターの分厚くて重い鉄板を素手で交換してくれるというパフォーマンスをしてくれたことを思い出した。彼は若いころに炭鉱勤めをしており、そのせいか掌の皮が分厚くなったため、熱い鉄板も素手で持てるようになったとのこと。それと同じで昇竜軒の店主も長きにわたる訓練により掌が鍛えられたことによって、油の中に指を突っ込んでも耐えられるようになったのかもしれない。

2016年5月初訪問

「昇龍軒」について

アクセス :JR郡家駅前すぐ
住所   :鳥取県八頭郡八頭町郡家662
営業時間 :15:00〜20:00(月曜休)