岡山県総社市の山あいに、ひっそりと佇む『魔法神社』。Googleマップでその神社を見つけてから、実際にはどんな場所なのだろう、アニメや漫画チックな世界観の神社なのだろうかと、私はそのファンタジックな名前に心惹かれ、訪れてみることにした。
魔法神社は、総社市槁(けやき)という地域に位置している。車で向かうときは、少し道幅の狭い山道を通ることになる。しかし公共交通機関でのアクセスは少々不便なので、車での訪問がおすすめだ。

駐車場は特に整備されていないため、近くの邪魔にならない場所に車を停め、いざ参拝へ。参道の階段、雰囲気あるね。

魔法神社は殺風景な佇まいの神社だった。神社だが鳥居も狛犬もない。その分、自然の中に溶け込んだ雰囲気が漂っていた。ような気がした。

境内に足を踏み入れると、目に飛び込んできたのは鮮やかな水色に塗られたタヌキの像。かなり目立つ。この狸こそが、魔法神社の祭神?である「キュウモウ狸」だ。


Wikipediaを参考に読むと、キュウモウ狸は、室町時代に南蛮から日本に渡来したと伝えられ、宣教師たちと共に海を越え、日本各地を旅した後、最終的に総社市のこの地に落ち着いたそう。ガッツあるタヌキだ。
しかし、なぜ魔法神社のキュウモウ狸は全身を水色に塗られているのだろう。
キュウモウ狸は、県内で人を脅かしたり迷惑をかけるバカなことをいろいろやっていたそう。しかし、遂には村人に追い詰められ「これからは自分の知恵で牛の面倒ごとから救います」と誓って以来、牛馬の守り神として祀られるようになったとのこと。
神社内の屋根近くには、キュウモウ狸を模した絵馬ならぬ「絵牛」が奉納されており、牛や馬が守られることを願う人々の信仰が感じられた。(絵牛の写真ちゃんと撮っとけばよかった。)

肝心の神社の名前である「魔法」は、一見すると魔術的なイメージを連想するが、実際には陽炎を神格化した護身の神「摩利支天(まりしてん)」が転じて「魔法」となったとされている。そう、魔法は関係ない。しかし、訪問後に気が付いたのだが、魔法神社の近隣には「魔法社」と「魔法宮」という魔法が付く神社があった。せっかくなので行けばよかった。しかし、調べてみると魔法神社ほど特徴的な神社ではないようだった。

境内には絵馬もひっそり3枚だけかけられていた。3つとも同一人物がかけており、株価の変動でたまにネタにされているバイオな製薬ベンチャーを熱烈に応援していた。

2023年2月初訪問
「魔法神社」について
アクセス :JR総社駅から車で30分(吉備中央町側から行くと道が狭くてクネクネで少し大変)
住所 :岡山県総社市槁