150種類以上のサワーが楽しめまくる居酒屋『兆治』【千駄木】

　たくさんお酒の種類があるお店って嬉しいよね。東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩3分の場所にある居酒屋『兆治』は、150種類ものお酒メニューをそろえている。店内の様子は圧巻だ。壁にびっしりとサワー名が書かれた短冊が貼り付けられている。

　サワーの名前は独特。味噌サワー、キムチサワー、おしるこサワー、ミートソースサワー、クリームシチューサワーなどのまるでサワーには合いそうにない料理名を冠したサワーから、ダルビッシュサワーや綾瀬はるかサワー、伊東四朗サワーなど芸能人の名前のサワーもある。

　これらのサワーおおよそが既製品の缶飲料をサワーで割ったものだ。。大谷翔平サワーはリポビタンD、新垣結衣サワーは十六茶、AKB48サワーはワンダモーニングショット、伊東四朗サワーはタフマンで割るという風に、芸能人サワーは当時のCMから着想されたものが多い。

　一方、料理はいたって普通の居酒屋メニュー。どれも親しみやすく、実際に美味しいのでうれしい。

　便所にはツイッターで意識高い系アカウントや親父の小言botみたいなアカウントがリツイートしてるような内容の格言が壁一面と天井にも貼ってあった。書いて内容は人生、お金、男女、スポーツジャンルを問わず様々な内容だった。

　店主の碇谷さんに、これだけ多くのサワーはどのように作り出しているのかと聞くと、流行りをとらえて取り入れているとのこと。30数年前の創業当時はサワーは5種類ほどだったが、ある日、客から提案されて出した「おしるこサワー」が評判になり、他の客から次々と面白サワーの提案があったという。碇谷さんは断ることが出来ず、気がつけば150種類以上になってしまったという。しかも味見は全くしていないとのこと。

　私は20代半ばのころ有名な日暮里の日本一ウザ絡みをしてくるレストランのザクロで合コンするのにハマっていて（理由は全然合コンが成り立たなくなって面白いから）、ザクロ合コンの後の反省会はいつも兆治だ。毎回なぜ合コンをあの店にしたのだと怒涛の責めを受けていた。もっともだ。そしてなぜ兆治で反省会なのかとまた責められる。それでも許して楽しんでくれる友人が好きだ。