函館市の大人気観光スポット、トラピスチヌ修道院の近くにある『高龍寺上湯川法務支所』。ここにはかなりインパクトのある達磨大師が存在する。石階段を上っていくと……。
キョトンとした顔のデカい達磨大師がいた。高さは7mほど。かなり鮮やかな色使いで、すごく目立つ。この達磨大師を作ったのが、斉藤キワという女性だ。
大正時代の終わりごろ、夫を亡くしだ斉藤キワ氏。地元函館で篤信者だった彼女は、夢で達磨大師に会い、以降達磨大師に帰依し、奈良の達磨寺のような達磨がいる修業上を作りたい!と道場の建立を発願。それから25年かけ、独力でこのデカ達磨像を彫ったとのこと。完成した時には75歳になっていたそう。この大きさの達磨を老齢の女性が自力で掘ったのか。すげ~。
横から見ると、土台となる下の方はかなりしっかりしているが、上に行くにつれ体が薄くなっている。経験が豊富ではないアマチュアが自力で制作した感じがして、とても親しみがわく。
達磨大師を建立した斉藤キワ氏。
元々ここは、斉藤キワ氏が所有していた場所であったが、のちに娘の斉藤ミサヲ氏へ受け継がれ、地元の人々にも利用されてきたそう。斉藤ミサヲ氏は1997年に、この境内と伽藍を高龍寺に寄贈し、現在は高龍寺上湯川法務支所として利用されている。
達磨大師像がやけにピカピカなのは、老朽化が目立ってきた像を2015年に修復されたから。愛されている証拠だね。
達磨大師の奥には、こちらも斉藤キワ氏が製作した不動明王が立っていた。怖さというか、独特の凛々しさが際立っている。ある意味、迫力を感じる。
ぱっと見、小さな小屋には、斉藤キワ氏自作の大きな八竜大王が納められていた。
全体的に、執念を感じるような制作物ばかりであった。
達磨大師の近くにある、日本初の女子修道院『トラピスチヌ修道院』の見学もおすすめしたい。この修道院では、現在も厳格な戒律のもとで修道女が祈りと労働を中心とした生活を送っている。趣のある建物を見ながら広い庭部分を散歩するのはとても気持ちが良かった。
2020年3月訪問
「高龍寺達磨大師」について
アクセス :函館バス「トラピスチヌ入口」バス停からすぐ
住所 :北海道函館市上湯川町344
公式HP :https://www.facebook.com/kouryuuji/?ref=page_internal(Facebook)
飾って楽しめる木彫入門―自然のぬくもり暮らしの中に