縄文時代に生きてたモーゼが日本に来て石川県で埋葬されてるわけないだろ。どうかしてるよ。
モーゼの墓はハイキングコースになっている
石川県宝達志水町にはモーゼの墓がある。そこは『伝説の森公園(モーゼパーク)』として整備されている。
旧約聖書の登場人物で、紀元前13世紀にヘブライ人の子としてエジプトで生まれ「十戒」のエピソードで知られるモーゼ。当時エジプトで迫害を受けていた数十万人ものヘブライ人の指導者となったとされる人物である。ヘブライ民族をエジプトからの脱出を導く途中、葦の海を分ける奇跡を起こしたことも有名な話だ。まぶっちゃけ「杖を振り上げて海を割った」くらいのイメージしかないけど。
実は私は2017年に知人を連れてモーゼパークに来たことがあったが、モーゼの墓にたどり着けなかった。その遠方から楽しみにして来てくれた知人には今でも本当に申し訳ないと思う。私が爆裂方向音痴なのに加え、墓への道の一部が閉鎖されていてたどり着けず山の中で迷って遭難しかけた。しかも案内板が分かりにく過ぎて何度も確認したせいで、余計に時間と労力を使うのである。後で落ち着いてよく見ると、一つの案内板の中で二つの同じ縮尺に見える地図を使って案内をしている。そのため道が混乱してしまううえに、モーゼの墓の案内が文字だけで、どこにあるのか直感的に伝わらないのである。
あまりにも理解しにくい案内板だったせいか、2022年に訪問した時には一つの案内地図にまとめてスッキリした絵に変わっていた。このおかげで再訪した時には迷わずモーゼの墓にたどり着くことができた。(それでもモーゼの墓の位置はわかりにくい)
あと『注意 熊出没』とカジュアルに書いてあるけど、観光客はどうしようもないだろ。
モーゼの墓の根拠はあの「竹内文書」
道中にはモーゼの墓の墓記帳所がある。モーゼクラブって何だよ。
モーゼの墓である根拠は青森のキリストの墓と同じで竹内文書(たけうちもんじょ)。竹内巨麿こいつ色んなところであり得ない噂を立ててるな。いい加減にしろよ。この説の影響を強く受けた山根キクという人物が「三ツ子塚という古墳をモーゼの墓だ!」と強い主張をしていた。町民たちはさらさら信じていなかったが、のちに町おこしのためにモーゼパークを建設したそう。
モーゼパークの説明によると、モーゼはシナイ山を出発し、約束の国を目指してカナンを進んだ。そこからモーゼは天浮船に乗り、宝達山に辿り着き、ここで「十戒」を授かった。その後モーゼは天皇家の大室姫と結婚し、538歳まで生きて、三ッ子塚に埋葬されたらしい。はいはいって感じ。
竹内文書は、青森県新郷村の戸来村キリスト伝説や富山県立山町のUFO伝説にもこのモーゼの墓と同じノリで根拠とされている。
「モーゼ伝説は現代の私たちにとって非常にミステリアスであり、夢とロマンを呼びおこさせてくれます。」
出展が竹内文書でなければ同意するけどさ。
ポケットガーデン
道の序盤はけっこう整備されている。
ここがミステリーヤード。どこがミステリーなのかはわからないが、三ッ子塚古墳と聖者モーゼの伝説について解説されていた。
このミステリーヤード付近から塚に登るとモーゼの墓にたどり着く。(マジでわかりにくい)
これがモーゼの墓だ!
……質素だ。確かに墓というより塚という感じだ。
なぜか墓から少し離れてシーサーも置かれていた。
墓石の代わりの岩?の横に立てられた木札に「モーゼ大聖主之霊位」とはっきり記されている。事前の情報収集では、岩などなく塚の端っこに立てられた木札だけだったので、これでも観光用にあらためて整備されたほうなのだろう。
墓は丘の上にあるので、見晴らしはとてもよかった。
主要な道は歩きやすいように整備されていて、ちょっとしたハイキングには最適だ。しかし山道なので虫がたくさん飛んでいて、道のアップダウンはあるので動きやすい服装で来ることをオススメする。
熊には出会わなかったが、安息の広場という場所に可愛いウサギはいた。
2017年5月初訪問
「伝説の森公園(モーゼパーク)」について
アクセス :JR七尾線 宝達駅から徒歩で25分、のと里山海道 米出ICから車で10分
住所 :石川県羽咋郡宝達志水町河原130の2