日本には様々な形式の、女性が男性を接待をしてくれる店があります。普通のスナックやガールズバー、メイドカフェ、ラウンジにクラブ、そしてキャバクラ。どれも飲食を伴いながら、異性と会話を楽しむ場所です。でも世の中には普通に会話を楽しむだけでは満足できない人たちも多くいるのだと思うのです。そういう人たちを楽しませるために、メイドカフェのような接客にプラスアルファされたコンセプトカフェや水着キャバクラやセクキャバ、パンチラ喫茶などが出現してきたのでしょう。コンセプトを確立しターゲットを絞る、または非日常感を高めることで、客の興味を引いたり、リピート率を高めたりするという商売のノウハウです。
そして男が楽しめることがもう一つあります。それは腐葉土を担ぐことです。世の男子のほとんどが腐葉土を見て、腐葉土に触れて心躍るものです。普段あんなでっかいフカフカの土の袋を見ること、担ぐことはないですからね。「何かをやってる感」を得られます。カブトムシやコガネムシの幼虫が腐葉土の中に入っているとアタリです。
そんな楽しいキャバクラと腐葉土、その二つが一緒になるとどうなると思いますか?その答えを以下でお教えします。
日本で唯一の腐葉土キャバクラが埼玉県の南越谷(新越谷)にある『Maize(メイズ)』。この店は吉本芸人の「ルミか」さんが経営するこのキャバクラで、店員さんみんながどういうワケか腐葉土を担ぎながら会話を楽しむというシステムです。
客は別に腐葉土を担がなくていいのですが、どうせならと訪問したみんなで腐葉土を担がせてもらって楽しみました。意味不明ですがこれがとてもいい気分になれます。女性とお話ししながら腐葉土を担ぐんですから当然ですよね。
店主のルミかさん南越谷ではあらゆる場所で目撃されている有名人。南越谷や新越谷の住人は、路上で腐葉土を担いでいる男性を見かけても驚かない。それが日常だから。
ルミかさんは(訪問当時)13年間、腐葉土を降ろした事がないと言い切っていました。運転中、就寝中、プール、シャワーでもパチンコでも腐葉土を担いでいるらしい(ご本人談)。しかしキャストの女の子に聞くと「なんか何年も前から13年間って言っているような……」と言われていた。
メイズの料金システムはセット料金に指名料、カラオケ代などと明朗会計なので安心。セット料金は1時間4,000円~6,000円(入店時間による)で、あとはドリンクやフードの料金です。
メイズでは5,000円でカラオケ対決ができます。ルミかさんかスタッフの方に勝てば、1人分のセット料金が無料になります。しかし、ルミかさんもスタッフの方も歌がめちゃウマでした。腐葉土を担ぎながら歌っているのに、まず勝てない。ラルクを歌って97点とか出ます?こっちも歌がメチャウマ委員長な女子に魔法騎士レイアースのOPを歌ってもらってイケる!と思ったのに……。
気になる女の子の時給は腐葉土の大きさで決まるとのこと。腐葉土の袋が大きければ大きいほど時給が高くなるらしい。斬新なシステムです。大きい腐葉土を担ぐ女の子は「縦文字」の子、小さい腐葉土を持つ女の子は「横文字」の子と呼ばれていました。それは大きくて重い腐葉土は袋に書かれた「腐葉土」の文字が縦書きで書かれていることが多く、小さい袋だと横書きで書かれているからとのことでした。
私の横に座ってくれた、膝の上にちょこんとすごい小さい袋を置いていた女の子は、入店当初からお金欲しさに限界まで大きい腐葉土を担ぎすぎて、肩を壊してしまったと言っていました。かわいいね。
キャストにノルマはなく、わかりやすい給料体系で地元でも超有名店のため、逆に安心して働ける店だということでキャストの子たちからの評判も良いようでした。前述の自分の横に付いてくれた女の子は、母親から紹介されて、母娘二代で腐葉土キャバクラで働いていると言っていて驚きました。
ちなみにルミかさんが腐葉土を担ぎ始めた理由は、売れないホスト時代にウケ狙いで体にデカいクサリを巻くなどのパフォーマンスで試行錯誤しているうちに、ある日腐葉土を担いだらナンバーワンになってしまい、これはキャバクラでやってもイケんじゃね?と思ったからだそう。
キワモノ的なキャバクラと思われながらも地道に実績を積み重ね、客からも、キャストからも信頼される店でありつづけたこと。それが腐葉土キャバクラという異常ともいえる店を長続きさせ、南越谷でナンバーワンの人気店の地位を守り続けている秘訣だと感じました。
※店側の許可なくキャバクラの店内を撮影するのは、どこであってもやめましょう。
2018年3月訪問
「Maize」について
アクセス :東武伊勢崎線新越谷駅、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩5分
住所 :埼玉県越谷市南越谷4丁目9−2
営業時間 :20:00~