奈良県大淀町、近鉄吉野線の下市口駅と越部駅のちょうど間にある焼き鳥店『赤影』は、見た目からして強烈な個性を放っている。特に目立つ施設がない吉野の大人しい田舎の街中なので、その主張が激しい店の様子が余計に際立っている。
店の看板を見るに、かろうじて焼き鳥店ということはわかるが、その他を見れば見るほど怪しさは募るばかり。
勇気を出して店の中に入ると、よくある焼き鳥店なのだが、お店の外のイメージ通り、店内のいたるところに昭和レトロ風なポスターやヒーローや怪獣のフィギュアが飾られている。
かなり刺激的なメッセージもある
メニューを見るとコロナ禍で少し品目が減らされているみたいだった。それでも十分だが。
メニューは減らされているといっても充実している。地元ではかなりの有名店らしく、関西ローカルのテレビにもよく出演していることがわかるメニュー表だった。
紙の割りばし入れには、エロそうな熟女（70歳以上）の携帯電話番号が書かれていた。これにかけたら本当につながってしまうんか？
このデカい文字のとおり、店内はもうめちゃめちゃや！
この個性が爆発している焼き鳥店赤影を経営しているのが、そんキューオジサン（山口さん、）こと『そんキュー』だ。マッチー！
そんキューさんは、独特の言葉遣いとコテコテの関西弁を使い散らして来客を楽しくもてなしてくれる。奈良の未来を憂いており、この日も不満が爆発していた。（関西人にしかわからないが）「魔法のレストランに出ても客はぜんぜん来おへん。田舎はもうお終いや！クソーッ！！」 と絶叫していた。魔法のレストランに出るということは、関西人にとってはとてもすごいことだから。
関西の南の方の人が使うアクの強い関西弁で、料理の真剣な話や地元奈良の話、そんキューさんの経歴や少しきわどい大人の話など、たくさんの面白話で盛り上げてくれた。
店内も言動もめちゃくちゃ。そのクセの強さでテレビに出るときも、そんキューさんのキャラクターばかり注目されているが、実は焼き鳥をはじめとした鶏料理は絶品だ。
この店が赤影となる前は、ここは有名焼き鳥チェーンの大吉だった。そこでそんキューさんは10年以上働き独立。そのままこの店を赤影として再スタートさせた。地元でずっと続く焼き鳥店の鶏料理は、信頼と実績のある味だった。
赤影はサービス精神が旺盛すぎる居酒屋としても有名だ。おかわりするごとに飲み物のサイズが大きくなっていくシステムもある。そんキューさんの気分によって５リットルのポットや花瓶、醤油のフタなど容器が変わる。料金は容器の大きさに合わせてちゃんと割増にされている。私はそのシステムは遠慮しておいた。
かなりのCCレモン推し
赤影ではお店のLINE（そんキューアカウント）に登録することをオススメされる。そのアカウントではそんキューさんお気に入りのインスタ投稿やTikTokの投稿が共有される。赤裸々なそんキューさんの最新情報が投稿されることもあるので、お店に行ってハマった人はぜひ登録するといいだろう。
2022年９月訪問
「赤影」について
アクセス ：近鉄吉野線 越部駅から徒歩13分、下市口駅から徒歩20分
住所 ：奈良県吉野郡大淀町桧垣本１３９２−８
営業時間 ：17:00〜0:30（月曜休）
