箱根っていいですよね。都心から簡単に行ける温泉街。観光施設や自然にも恵まれていて、みんなも大好きな町だと思う。でも車で訪問するときには注意しなければならない。住所が、広すぎて、いい加減で、車で10分以上かかるのに同じ住所のホテルとかがあって大変だ。渋滞にも巻き込まれやすい。特にこだわりがなければ、スイッチバックしながら景観を楽しめる箱根登山鉄道や、急こう配を地元走りで爆走する路線バスを使って旅行したほうが絶対にいいはず。
箱根旅行の際には宿泊がどうしても箱根湯本駅や宮ノ下駅、強羅駅周辺になりがちだが、大平台駅周辺もおすすめだ。人が少ないので落ち着いて過ごすことができる。
家族あるいは友人たちと旅行で旅館に泊まったはいいけど、周囲に何も無かったり天候が悪かったりして、やることがなく暇だということ、たまにあるね。そんな問題を最初から解決してくれている旅館が、大平台にある1日3組限定の宿『たきい旅館』だ。宿泊客に館内で楽しんでもらうことだけを考えていて、様々な設備を用意している。
1日に3組限定なので、宿泊できる部屋も3種類だけ。私は手作り露天風呂直結の部屋に泊まった。部屋の雰囲気は昔ながらの山のふもとにある民宿のような感じだ。とても綺麗にされている。
広縁から風呂へ直結している。部屋から徒歩一秒で手作り露天温泉風呂に入ることができる。詳細は後述する。
押入れの奥になぜか芦ノ湖の風景が貼られていた。
充実しまくったゲームソフト。時間が足りない!
宿にはGB, SFC, 64, PS2, PS3, Wiiといった少し前の世代のゲーム機本体とソフトが完備されていて、自由に遊びまくることができる。友達と泊まるのに最高の宿だった。無限に風呂とゲームを楽しめるぞ。
スーファミや64のコントローラーとか10年ぶりくらいに握ったよ。もうスーファミやゲームボーイなんかはレトロゲームの扱いになるんだってね。この前ネットでそういう記事を見てびっくりしちゃった。
館長はゲームには詳しくないけれど、客に部屋で楽しんでもらいたい気持ちからゲームの他にも、バルーンアートの道具を置いている。宿泊客みんなで気をつかいながら、協力して大切に使おう。
宿においてあるゲームソフトのリスト。タイトルだけではなく、ジャンルまで書いてくれている。せっかく旅館に泊まったのにガンパレとかプレイする人いるのかな。
旅館の廊下にあるPS2のソフト置き場。PS2関係だけでこの量。簡単なゲームコーナーがあるホテル等はよくあるけれど、たきい旅館は日本一ゲームソフトが置いてある宿泊施設だろうと思わせる。通路に貼られまくった宿泊客の写真が、どれだけたきい旅館が親しまれてきたかをわからせる。
ファイナルファンタジーやサモンナイトなど、およそ一晩でプレイしきれないようなソフトも置いてある。昔のセーブデータを保存したメモリーカードを持ち寄ってああだこうだ言いながら思い出プレイするのは楽しいかもしれない。
よくみると、みんゴル4が4本もあったり、その他にも何本かダブっているソフトがあるけど、そんなのお構いなしだ。
本当は夜通しバウンサーをやりこみたかったけど、訪問した日は朝早くから一日中箱根を歩いて疲れていたので、ストⅡをちょっとやって、たまごっちを少しやって終わってしまった。なつかしい。たまごっちが死んじゃう瞬間のBGMがなぜか好きだった。
仲の良い友人たちと複数人と泊まると、もう終わりがないと思う。きっとスマブラ祭りになるだろう。
ファイナルファンタジー等のRPG関係のソフトは、前にプレイした人たちのデータがそのまま残されていた。やはり序盤~中盤で進行が止まっていて、カップルっぽいキャラ名でプレイされているのもあった。ほほえましいね(データ消したろかと思った。)
部屋直結。〝純手作り〟の露天風呂
部屋から直結〝純〟手作りの露天風呂は、床はボコボコで抜けかけている、天井もバリバリ。かなりの経年劣化が感じられる。手作り温泉はどこもそんなものだ。これは仕方ない。お湯はぬるめでポカポカしてくる程度でずっと入ってられる。(私好みで)最高だった。
温泉が純手作りというのは、館長が独力で作り上げたことのアピールだろう。湯に長く浸かっていると、湯に木の屑や虫がめっちゃ混入してくるけどそれも風流だ(ということにして納得する)。露天風呂の名前は「樹咲久」。気さくに楽しんでくれってことかな。
泉質ははもちろん箱根の温泉だ。
内風呂温泉も大小2個ある。時間制で貸切だから、他の人に合うこともなくて安心だ。露天風呂直結部屋でない人たちが館内でお風呂に入るときは、ここを使う。
部屋だけではない、お楽しみスペース
ゲームの他にも将棋やビリヤード、楽器もあった。しかし訪問時はダーツや楽器、カラオケカプセルのある部屋ははコロナへの感染拡大防止で使用禁止だった。残念。
Eスポーツ及びLANパーティールームもあり、使いたい場合には予約時に申請が必要だ。Eスポーツ専用部屋を自前で完備している旅館はなかなか無いだろう。
廊下にはおびただしい数の宿泊客の写真。歴史を感じる。
簡単な駄菓子屋軽食も買える。
たきい旅館の館長はとても優しく、気の利く方だった。忙しくない時間には、箱根や周辺の大平台のこと、宿のことを丁寧に教えてくださり、翌日の出発時には宿の前で記念写真を撮ってその場でプリントして渡してくださった。その場で写真をプリントしてくれることは、旅の思い出に残るのものになるよ。
夜ごはん。決まってないなら、みどり寿司
たきい旅館のある大平台周辺では、夜に空いている飲食店がめっちゃ少ない。電車で他の駅に行くのもいいけど、私は宿の近くの『みどり寿し』に行った。
箱根町すぐ近くの小田原漁港から毎朝仕入れる魚介を楽しめるみどり寿司は、穴子の寿司が名物。塩味とタレ、2種類の味付けをした、丁寧な穴子寿司を食べ比べて日本酒を飲む。最高やで。
せっかく箱根旅行をするなら、豪華で綺麗な温泉旅館に泊まってリラックスして過ごしたい。それはそれとして気の置けない友人と旅行するなら、たきい旅館のような、夜通し遊べる気楽な旅館に泊まるのも選択肢として十分にアリだと思った。でも万人に受ける旅館ではないと思うので、宿泊してみたいと興味が出たひとは、よくよく下調べしてから予約してみてほしい。
あと、公式HPと現在の状況は大きく変わっているから、そこも要注意だ。やぐらTVを見て、露天風呂をブラックライトで照らしたかったなあ。
2020年11月訪問
「たきい旅館」について
アクセス :箱根登山鉄道 大平台駅から徒歩5分くらい
住所 :神奈川県足柄下郡箱根町大平台649
公式HP :https://www.takii-ryokan.jp/
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