秋田県由利本荘市の『鶴舞卓球道場』は通称もへじ卓球場。建物のあらゆる場所にへのへのもへじを書いたオブジェを置いている。その数は尋常ではない。
※現在はへのへのもへじ展示館となっています。
卓球道場の主の斎藤善郎さんは還暦をすぎた後、購入した貸店舗を利用して卓球教室を開設した。卓球教室を始めた当初はへのへのもへじは無い、普通の卓球教室だったそう。
そして70歳を過ぎたある日、山形県の上山市で開催されていたお祭りの案山子を見て、へのへのもへじに魅せられた。それ以来、ピンポン玉や近所の浜の漂着物(浮標など)にへのへのもへじを書き、飾りまくっている。ただ際限なく作ってしまうとキリがないので、訪問時(2018年)の数年前からは、へのへのもへじの玉はあまり作っていないとのことだった。
由利本荘市は日本海に面しており、漂着物は中国から流れてくる物が多いそうで「中国は最近経済が発展してきたから、少なくなった」とのこと。
へのへのもへじは素材は違っても、表情はすべて同じであることにこだわりを感じる。
年季の入ったキャラクターは少し怖くなってきている。
斎藤さんお気に入りの靴も、へのへのもへじ。可愛い。
へのへのもへじ神棚。
斎藤さんはこのミッ◯ーマウスもお気に入り。有名になって地元のお堅いテレビに映るようになると、「これは如何なものか」と調査が入ったとのこと。
しかし著作権的には「このキャラで商売してるわけじゃないし、ミッ◯ーマウスとはそれほど似てないと思う。別のキャラクターに違いない」ということで問題をクリア。お墨付きだ。
斎藤さんは指導者としてのキャリアも長く、また旅行先や有名人と写真を撮るのが大好き。たくさんの思い出を写真とともに語ってくれた。
壁一面に卓球教室の生徒の写真や訪問者との写真が飾られていた。
今は体力的にキツく、ほとんど卓球場は開いていないとのことだが、料金表を見ると異常に安い!1時間150円で卓球を楽しめる。 近所の子供たちが、お小遣いで卓球を楽しめるようにと配慮した利用料金だった。
この低価格を実現できている理由は斎藤さんのワンオペによる営業と、必要な物を必要な分だけ提供しているから。セルフサービスに近い利用形態だ。利用者と斎藤さんの信頼関係があるからこそ、長年続けてこられた場所だった。
斎藤さんは2018年時点で82歳 「俺は死ぬまで斎藤もへじ!へのへのもへじ続けるから!これからやりたい事たくさんある!まつじ君もがんばれ。続けろよ!」とエールをもらった。
お年を召してから作品を作りまくってる陽気ハッスルランドの吉村さんも、こだわり街道の高橋さんからも同じことを言われている。何かを築き上げるにあたって年齢が高すぎるということはない。斉藤さん、私がんばります。
募金箱かなと思ったらコウロギの飼育箱だった。
2018年8月訪問
「鶴舞卓球道場(へのへのもへじ展示館)」について
住所 :秋田県由利本荘市御門283−4