暑い夏は冷たいコーヒーを飲みたい。それもできるだけ優雅に。そんな願望にうってつけなのが神戸市の北野町にある、蔦の絡まる赤煉瓦の洋館、神戸にしむら珈琲店 北野坂店だ。日本初の会員制喫茶であっただけに店内の雰囲気も優美だ。阪神大震災を機に一般客も利用できるようになったこの店で、7月~8月の期間限定で飲むことができるのが『氷の器アイスコーヒー』だ。

その名の通り、15センチ四方の巨大な氷の器の中にコーヒーが注がれている耽美な逸品。華やかかつ落ち着いた調度品に包まれた店内で、外の景色が、氷の器の中でキラキラしているのを楽しみながら味わうコーヒーは格別だった。

このコーヒーを見たとき「量少なっ!」と思ってしまうかもしれないが、氷の器がデカすぎるだけで、実際のコーヒーの量は普通よりちょい控えめくらいだ。
最近はインスタ等で映えまくっているので、夏の客はこのコーヒーを目当てに店はめっちゃ混んでいる。

コーヒーを入れるのに使う水は西宮の名水「宮水」。その日の朝に汲んだものだけを使う。また、コーヒーを入れることができるのは、店で3年以上修業した人のみというサービスの徹底ぶり。夏の神戸でしか味わえない、贅沢な時間だ。神戸の山の手の雰囲気にピッタリとした佇まいのこの店は異人館の散策とセットにして楽しめばより気分が高まるに違いない。
店内の装飾は日本初の会員制喫茶というだけあって、意匠が凝らされていたり、アンティークの什器等があったりした。その様子も写真に撮りたかったが、満席の店内で、皆このにしむら珈琲店の世界に没頭している様子だったので、カメラを向けていい雰囲気ではなかったのでこの時は止めておいた。
あと、実は氷の器は上記の写真やインスタでよく見る写真のように最初からキラキラではなく、提供されたときは下の写真のような状態であるときがある。キラキラ写真を撮りたいのに困る!という人はしばらく待ってみるか、氷の器の表面を軽く撫でてみるといい。表面が少し溶けて透明感が出てくるぞ。

2017年8月訪問
「北野坂 神戸にしむら珈琲店」について
アクセス :JR、阪急、阪神 三ノ宮駅、その他三宮駅から徒歩12分
住所 :神戸市中央区山本通2丁目1-20
営業時間 :10:00〜22:00(無休)